11月16日、「
甘えについて」というタイトルで、渡辺喜美枝先生にお話をしていただきました
渡辺喜美枝先生…公立保育園で長年園長として勤められ、昨年度までは、ひよこ広場と同系列の私立保育園で園長として御活躍されていらっしゃいました

40年以上、保育に携わってこられたプロ中のプロのお方デス


「甘えについてってとっても難しい課題です。子育てをしていて、この甘えをどこまで許したらいいのだろう??と考えることが多いと思いますけど、それを考えて子育てって終わるんじゃないかしら…」というお話から始まりました。
キーワードは “需要と共感”。
子どもの言うことを受け入れてばかりでは、子どもが大人になったときに困ることがある

何でも手に入るし、何でもしてくれる…そういった環境で育った子は、自分自身をコントロールできなくなるそうです。
「どこまで受け入れるべきなんだろう」 と問い続けるのが子育ての大切なところ…と渡辺先生。
今、抱えていらっしゃる親としての悩みを、マイクを回して参加されているママサンたちにお聞きしました

★2人の女の子のママ
下の子(1歳)が何に対しても興味を持ち始めて、上の子(3歳)が作ったモノなどに触りに行って壊してしまうということがある。上の子が怒って泣くんです
どちらの気持ちも解るから、いったいどういうふうに言葉をかけていったら良いか悩んでいます
★女の子・男の子の姉弟のママ
下の子(5ヶ月)がずっと抱っこしていなければ泣く状態なんです
寝かそうと思ってもうまく眠れず、結局抱っこになります。上の子(2歳)も抱っこをしてあげたいが、うまくいかず…すねてしまいます
★1歳7ヶ月の男の子のママ
まだ母乳を飲んでいます。昼は支援センターへ連れてきて紛らわしていますが、夕方・夜はどうしてもごまかせなくて欲しがります
あんまり泣いて欲しがるので、我慢させるのもかわいそうになって結局あげてしまうんです
自分の気持ちがしっかりしていないのもダメだと解っているんですが、違うモノで気を紛らわせることができたらいいのかなぁとも思っています
★3歳の女の子 祖母
毎日支援センターを利用しています。周りを見ていると、祖母と来ているのはウチだけです。「なんでウチはおばあちゃんなんだろう??」と子どもが気付き始めた様子です。そのためか、他のママサンにママの代わりを求めるように甘えているように見えます
ママ不足なんでしょうか??
★1歳男の子のママ
スーパーで泣き叫んだことがあり、おかしやジュースを買ったらそれで味をしめて、次にスーパーに行ったときも自分で進んでおかしコーナーへ行った。毎回はダメだと思って3回に1回の割合で買おうと自分で決めたりして工夫はしているが、こういったとき買っておいいものかどうか悩みます
保育の現場でも、たくさんのお子さまが抱っこをせがんできたり、遊びに誘ってきたりして、両方一度にすることもできないので、保育士自身も迷うし悩むところです。子育ても一緒ですね…と渡辺先生。
<渡辺先生>
「これがいい!!」という方法というわけではないですが、参考までに聞いてください…
どんな年齢のお子さまにも、話がわからないと思わず、お互いの気持ちを伝えることが大切だと思います。
例えば…「お兄ちゃんはコレを取られたら困るよ」「弟チャンはコレが欲しいんやって」というふうに伝えてあげたらどうでしょう??
お子さまがまだ小さくて言葉がわからなくても、しっかりとママの言葉は聞いています。ママが仲介役になり、お互いの気持ちを伝えてあげることが大切ですね

最初から怒るのではなく、気持ちを伝えてから どうしていくかを考えていくこと。
下の子がまだ小さければ、他のおもちゃで我慢ができたりするので、小さいウチはそれでいいと思います。(下の子に代わりのモノを与える)
相手の気持ちをわかるということ…社会生活には欠かせないものです
そいういう経験をたくさんさせてあげることが大切ですよ
ただ、長々と時間をかけて気持ちを伝えても頭には入ってきませんので、短い時間で、いかに相手に気持ちを伝えるかが大事なところです。それが親の役目ですよ

お乳を欲しがる・スーパーでお菓子を欲しがるという悩みがありましたが…
どこかで一本線を引くことが大切ですね

お出かけする前に「今日は買わないよ」と キッパリ言ってから出かけるようにしましょう。1回買えば、「また買ってくれる」と思うのは当たり前です。
スーパーに行ってから言うのと、行く前に予測をさせて行くのとでは、「ダメ」と言われたときの子ども自身の気持ちの切り替え方が違います。
その場で母が迷うと、子どもも迷います。それを繰り返していると、子どもの母へ対しての信頼がなくなります。
体で要求してくる甘え…例えば、抱っこやおんぶは「ダメ」と言わず、十分に受け入れてあげたほうが良いです
モノを要求してくる甘えは 一線を引きましょう。モノを与えられた子というのは “我慢” ができなくなりますよ★
かわいはやおサンの言葉より…モノで子育てはしない。クリスマス&誕生日にプレゼントを上げるようにし、その他は買わない!それを徹底していくべきだ。
ママを求める…というおばあちゃんのお悩みがありましたが…
育てるということ…育てる人と育てられる人との関係が大事なんです。
“おばあちゃんだから

” というわけではないですよ

育てられる人と育てる人の信頼関係が大切なんです。ママを求めることがあるかもしれないが、それは問題ではありません。しっかりお子さまの気持ちをわかってあげようと思っていらっしゃるようですし、それで大丈夫ですよ

自信を持って!!
一人ひとりの悩みをしっかりと聞いてくださって、諭すようにアドバイスをくださった渡辺先生

渡辺先生に教えていただくと、「あ〜、そうなんだ…これからこうしよう!!」という思いがわいてきます

講座中、下の子をおんぶして上の子を抱っこしているママサンがいらっしゃいました。
その姿を見て…
<渡辺先生>
お二人のお子さまがいらっしゃると、おんぶに抱っこ…日常茶飯事のことになりますね

おもちゃを取られたとき、抱っこをせがんできたとき…おんぶ&抱っこをしてなだめてあげることも大切ですよね★
兄弟でどちらかを我慢させたときは
「あとでいっぱい抱っこしてあげるからね」「あとで、このおもちゃで遊ぼうね」と先の見通しが立つような約束をしてあげましょう。約束をしたからには、それを必ず守ってあげることです
ただその場をしのぐだけの約束では不信感を抱くようになります。
親は愛情いっぱい持って子どもに接し、子育てをします。しかし、子どもは “愛されている”という実感を持つことができないで育つ子もいるんです。
親は「なんでこんなに愛しているのに??」と思い違いをします。その結果、子どもはそれによって落ち着きをなくし、不安定な状態となっていきます。
ここで
2歳差の兄弟のママサンからお悩みの声が…
お兄ちゃんが赤ちゃん返りをしています。洋服の着替えやくつをはくのも「できない」と言って甘えます。おっぱいも飲むようになりました。すべてを受け入れるべきなのか悩みます。
<渡辺先生>
子どもは、すべてを“自分でする”という力はありません。でも、“自分でやっていく”という力をつけていくんです。今までは大人の目は自分に向いていたのが、弟の誕生でそちらへ行ってしまった…
赤ちゃん返りはママへのサインなんです。コレを見逃すと表現を一切しなくなってしまう恐れがあります。
赤ちゃんに返ったのなら、それにとことん付き合ってあげれば良いと私は思いますよ

でも
、“折り合いをつける”ということも大切です。
2歳前後になると だだをこねるようになりますよね??自分がしたいことを泣いて通そうとすることもあるでしょう。
そのときに
、“子どもの言う事を聞いてあげる”のか“大人の意見を押し通す”のか…葛藤が生まれるでしょう。そういうときは、子どもの言う通りになるのでもなく、大人の意見を押し通すのでもないです。
子どもが泣いているときは、子ども自身もどうしたらよいかパニックになっている状態です。こういうときは、
少し泣き止んだら、子ども自身に選択させてあげることが大事ですね
親の思いも「こうして欲しい」「これはしてほしくない」と、しっかり伝えていくことも大切ですよ
頭ごなしではなく、「ママはこう思うからこうして欲しいなぁ」と思いを伝えていく必要があります。
渡辺先生にお聞きしたいことはたーくさんあるのですが、
この辺でお時間がきましたので、講座は一応終了させていただきました

終了後も 個別相談のため、渡辺先生の前には列ができたほど


講座の最後に 渡辺先生は参加されたママサン方へという形で、言葉を残されました
怖がっているとき、泣きたいとき、嬉しいとき、全部自分の感情が大人に伝わって共有される。そんなとき、子どもは自分が認められているという安心感を持つ。ところが、人と通じ会えたという感覚を持てないことが普通だと感じてしまっている子が増えている。
子どもの気持ちをわかろうとする親でいて欲しいと思います。今しかない子どもの姿や言動を、ノートなどに書きとめておくと、こんなに素晴らしい成長の記録はないと思います。ぜひ、お子さんの成長を書き留めて残してあげてください